寿命が近づいて死に向かっている恒星は超強力な光を発するため、周辺の小惑星を粉々にしてしまうらしい。
しかも、この新たな研究によると、この現象は太陽を含む宇宙のすべての恒星で起こるらしい。
この破壊現象の原因は電磁放射で、YORP効果に関係しているようです。
YOPR効果
まず、光(光子)にはごくわずかに物を押す力があります。
短い時間であれば非常に小さい力でも、何百万年、何千万年という長い時間で考えた場合、この光の力は無視できないほど大きくなります。
そして、地球や月のような球状の天体はあまり影響を受けませんが、形がいびつな小惑星は、恒星から受ける光によって自転の方向や量が変えられてしまいます。
もうちょっと詳しく説明すると、恒星から受ける光の圧力と天体表面からの熱放射のバランスが天体上の場所によって異なることで回転力が生じ自転に影響を与えるということです。
ちなみに、この現象の研究に貢献した4名の研究者の名前にちなんで、ヤルコフスキー・オキーフ・ラジエフスキー・パダック効果(YOPR効果)と言われています。
どうやって粉々になる?
恒星が成長し寿命が近づいてくると、このYOPR効果がさらに顕著になってきます。
恒星は成長するにつれて基本的にはより大きくより明るくなっていきますが、光度が増すことでYORP効果も増加していきます。
小惑星は密度が高くなく重力もほぼない天体であるため他の天体よりも簡単に崩壊しやすいですが、今回の研究のコンピュータモデリングによると、幅約200メートルの小惑星はすべてYORP効果による回転運動によって粉々にされてしまうようです。
つまり、YORP効果によって小惑星が破壊されていくということです。
しかも、このYORP効果は非常に強力になっていくため、100万年という宇宙規模で考えると比較的速いスペードで小惑星を破壊していきます。
最後に
「光を浴びると粉々になる」って聞いてマンガの世界観しかイメージできなかったけど、順を追っていくと何となく理解できそうですね。
エネルギーの量とか時間の単位が日常生活とかけ離れすぎていますが、今回は何となくでも理解できる話でしたでしょうか。
ではでは。
Source: Sciencealert
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