防衛省の2020年度の予算概算要求のなかで宇宙作戦隊の新設が明記されたことが2019年8月21日に明らかになりました。(ロイターより)
宇宙作戦隊は宇宙空間の安全保障にかかわる任務を任されているようですが、何をするのでしょうか。
宇宙の安全保障を宇宙作戦隊が担う
2018年の防衛大綱(平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について)に基づいて今回の宇宙作戦隊が新設されています。
防衛大綱では、
宇宙、サイバー、電磁波、海洋、科学技術といった分野における取組及び協力を加速する
平成 31 年度以降に係る防衛計画の大綱について
と記載があり、今までにはなかった新しい防衛領域を強化する必要があることが書かれています。
そして、
宇宙領域を活用した情報収集、通信、測位等の各種能力を一層向上させるとともに、宇宙空間の状況を地上及び宇宙空間から常時継続的に監視する体制を構築する。また、機能保証のための能力や相手方の指揮統制・情報通信を妨げる能力を含め、平時から有事までのあらゆる段階において宇宙利用の優位を確保するための能力の強化に取り組む。
平成 31 年度以降に係る防衛計画の大綱について
宇宙領域を専門とする部隊や職種の新設等の体制構築を行うとともに、宇宙分野での人材育成と知見の蓄積を進める。
平成 31 年度以降に係る防衛計画の大綱について
ということで、積極的に宇宙領域を活用するということ、そしてその活用のための専門部隊を作ることが書かれています。
アメリカの宇宙軍から指導者を招くとともに、同軍へ日本の自衛隊を派遣するようです。
東京都府中市の航空自衛隊府中基地を本拠地として、70人スタートで100人規模の部隊になる予定。
宇宙作戦隊の任務
艦艇などの運用ができなくなるのを防ぐために、人工衛星や電波妨害など宇宙空間を常時監視すること、また宇宙空間のごみであるスペースデブリの監視がおもな任務のようです。
また、宇宙空間に設置する新型の光学望遠鏡の開発も進めるとのこと。
宇宙領域での軍事
すでにアメリカ・ロシア・中国などは宇宙領域での軍事研究や組織化を進めており、人工衛星を利用した偵察・ミサイル防衛・通信妨害などが行われています。
アメリカは宇宙軍が2019年8月29日に発足することが発表され、フランスも宇宙軍を2019年9月に新設すると発表。ロシアの航空宇宙軍、中国の中国人民解放軍ロケット軍、イスラエル航空宇宙軍に続き、続々と組織ができてきています。
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