ダイソン球という言葉を聞いたことがありますでしょう?
- 聞いたことない!
- 聞いたことあるけどなにそれ?
- 実際できないでしょ?
そんな方におすすめの記事でございます。
ご紹介します。
「ダイソン球」とは?
ダイソン球とは、恒星をぐるっと覆ってしまう仮説上の人工的な建設物のことです。
恒星が発する莫大なエネルギーを吸収し人間が活用するためのものとして、アメリカの宇宙物理学者フリーマン・J・ダイソンが1960年に提唱しました。
日本語では「ダイソン球殻」、「ダイソン 殻 」、「ダイソン環天体」ともいわれます。
宇宙文明2.0
宇宙文明には大きく下記の3つの段階があるとロシアの天文学者ニコライ・カルダシェフが言っています。
- 第一段階:一つの惑星上で得られる全エネルギーを利用する文明
- 第二段階:一つの恒星系で得られる全エネルギーを利用する文明
- 第三段階:一つの銀河系で得られる全エネルギーを利用する文明
2019年時点では地球の全エネルギーは使えていないので、第一段階にも達していないことになります。
そして、ダイソン球は第一段階をとばして、恒星系のエネルギーを使おうとしているアイデアなので、この分け方にのっとると第2段階の話をしていますね。
太陽の発するエネルギーのほとんどは宇宙空間に捨てられていて、地球が受け取れているのは約20億分の1なので、ダイソン球により莫大なエネルギーを得られることになります。
参考) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3%E7%90%83
ダイソン球の種類
ダイソン球にはいくつかのアイデアがあり、
- 完全に天体を覆ってしまうタイプ
- リング状で覆うタイプ
- 軌道上をたくさんの人工物が回り覆いつくすタイプ
などダイソン球の写真を検索してもいろいろ出てきます。
完全に天体を覆う一つの建設物というイメージが映画とかでもよく見るのでダイソン球としては有名な気がしますが、もともとダイソンさんはそのような構造とは考えていなかったようです。
実際には「生活空間や産業設備を備えた大気が詰まった居住構造物を一つの人工建設物として、それらが恒星の周りを群れをなして周回しながら恒星を球殻上に囲みエネルギーを受け取っている」という状態が正しいダイソン球のイメージのようです。
なのでダイソン球の外側からは塵が集まった雲のように見えるということです。(中からの光は見えない)
また、資源や建設にかかるエネルギー、物理的な建設物の安定性なども考えると、軌道上を回る人工衛星のようなものをたくさん作って群れみたいにするやり方が一番現実的な気がします。
ダイソン球はすでに存在している?
地球から1480光年先にある「KIC 8462852」という恒星の明るさが不規則に大きく減光するという現象が2015年にケプラー宇宙望遠鏡が観測し、ダイソン球が原因ではないかと話題になったことがあります。
その後、いろいろな大学が調査した結果ダイソン球ではない可能性が高くなったものの、原因はわかっていないのが現状のようです。
多くの研究者はダイソン球のような恒星の光を利用したエネルギー確保を行っている生命体がいるのではと研究を続けており、広い宇宙のことなので個人的にはたくさんダイソン球があるとは思っています。
今見えている星もはるか昔にダイソン球でおおわれているかもです。
*広い宇宙のどこか(きっと都市部)にいる知能が超発達した生命体からしたら、ダイソン球でエネルギーを確保して、ワープとかテラフォーミングとかも普通にできて、惑星間文明(なんなら銀河系が一つの国)みたいになってて、光って遅くね?という感じでしょう。
ダイソン球の作り方
下記の動画でわかりやすく解説をしています。
課題としては、
- 十分な資源の調達
- ダイソン球のデザイン
- 建設する際のエネルギー
が大きく考えられています。
資源に関しては、惑星一つを丸々分解しなければいけないほどの量が必要になります。
地球以外のどこかの惑星の資源を使うことになると思いますが、そもそもまだ人類が到達すらできていない惑星の資源探査の話なのでかなり時間がかかりそうです。
また、デザインに関して、この動画では人間がダイソン球に住むことは想定しておらず、エネルギーを集めるための設備のみを太陽の軌道に乗せる前提で話を進めています。
恒星をダイソン球が完全に覆った場合、ダイソン球の外側には人が住めなくなるため、地球とダイソン球に人が住むとなるとダイソン球の大きさはもっともっと大きくなければならず、例えば太陽系自体を覆うほどの大きさということになります。
それよりはこの動画のアイデアのほうが比較的簡単に実現できそうです。
さらに、ダイソン球の設備を打ち上げるために必要なエネルギーに関しては、ダイソン球を一つ作るためにダイソン球一つが必要なほど莫大なエネルギーが必要になります。
これに対しては、すでに打ち上げた設備からエネルギーを供給してもらい、徐々に打ち上げを加速していって全体のダイソン球を完成させるとしています。
あくまでアイデアですが、想像できているので現実になるのも時間の問題かなと思います。
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