月と地球の距離を急に求めたくなったあなたに。
3分で簡単に説明します。
月と地球の距離の求め方
下記の3つあります。
- 三角形の相似性を利用する
- 視差を利用する
- 光や電波の反射を利用する
①三角形の相似性を利用する
STEP1 : 太陽と月の見かけの大きさ(視角)が等しいという知識を使います。
下図のように、三角形の相似性によって、
太陽までの距離(RS) / 月までの距離(RM) = 太陽の半径(DS) / 月の半径(DM)
が成り立ちます。
STEP2 : 次に、月食の際に月に映る地球の影を観測します。
これより、月に映る地球の影は、月の約2.5倍の大きさだとわかります。
下図でいうと、DEが月の直径の2.5倍ということです。
STEP1より、上図のように「地球の直径(ACとする)を底辺とする三角形」と「月の直径(EFとする)を底辺とする三角形」は相似の関係になるため、
四角形ACFDは平行四辺形であり、
地球の直径(AC) = 月に映る地球の影(DE) + 月の直径(EF)
となります。
つまり、月の直径の3.5倍が地球の直径(AC)です。
月の直径(EF)を底辺とする三角形の高さが月までの距離なので、
月までの距離 = 地球の直径(AC)×108 / 3.5 = 12,756 × 108 / 3.5 ≒ 393,613
となります。
*ちなみに、実際の月と地球の距離は約384,400mです。
*このやり方だと、月の大きさも同時に計算できます。
②視差を利用する
地球上の2地点から月の見える方向を観測します。
そして、それら角度の差と2地点間の距離から月までの距離を求めることができます。
上図のSyeneで日食が起こったときに、Alexandriaでは5分の1だけ太陽が見えていました。
月の視角はα=約0.5°なので、θはその5分の1の約0.1°です。
SyeneとAlexandriaの2地点から見える月の方向の差をθ、それら2地点間の距離Dとすると、
sinθ ≒ 0.00174532836 = 2地点の距離 / 月までの距離
が成り立ちます。(三角関数より)
2地点間の距離を約800万kmとすると、
月までの距離 = 約46万km
となります。
*2地点間の距離と視差をより正確に測ることで、より正確な結果が得られます。
*ちなみに、実際の月と地球の距離は約384,400kmです。
②光や電波の反射を利用する
月に向かって光や電波を発信して、それが戻ってくるまでの時間を測ることで距離を測定できます。
現在、アポロ宇宙船が月に設置した鏡に向かってレーザー光線を当てて距離を測定しております。
非常に正確に距離を測定できるようで、月は年間約3.8cmずつ地球から遠ざかっていることが分かっています。
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